AOSモバイルのビジネス用チャットのInCircleであるが、チャットボットのコガさんを搭載している。今回、開発担当の米川孝宏氏に、その誕生秘話や今後についてうかがった。また、コガさんの名前の由来となったAOSモバイルの古賀薫氏にも登場いただき、お話をうかがった。インタビューを担当したのは、AOSのイメージガールを務める中田まりなである。中田まりなさんは、2015年ミス東大で、現在、東大文学部社会学科に在籍している。

■最近注目を集めるチャットボットとは?

米川孝宏:今日は、ミス東大の中田まりなさんとチャットボットについて、お話をさせていただくことになりました。どうぞ、よろしくお願いします。
中田まりな:よろしくお願いします。米川さん、まずチャットボットとはどのようなものなのでしょうか?
米川:普段、皆さんはチャットでコミュニケーションをされていると思います。通常は、友人であったり、家族であったり、人とチャットをします。それに対し、チャットボットは、コンピュータのプログラムです。チャットのロボットなので、チャットボットといいます。
中田:チャットというコミュニケーションについて、どうお考えですか?
米川:チャットには良い面と悪い面があります。これまでは、メールや電話を使ってコミュニケーションをとっていました。チャットがあれば、複数の人が同時に情報共有を行うことができます。したがって、即時性が高いです。同じ内容を瞬時にたくさんの人と同時に共有できるので、誤解が少なくなるといった良い面があります。
逆に悪い面としては、チャットではたくさんの人がしゃべるようになると、文章がどんどん流れていってしまいます。つねに見ている人には問題がありません。しかし、ときどきしか見ない人もいます。そんな人には、何を言っていたか、文脈がわからなくなってしまうこともあります。あとは短い文なので、短い文章に不慣れだったりすると、表現能力に個人差もあるので、そこで誤解が生じてしまうデメリットもあります。
中田:ありがとうございます。
チャットボットで何が変わるでしょうか?
米川:先ほど、人ではないコンピュータが受け答えをすると言いました。コンピュータの能力は無限なんですね。人間はある程度のキャパしかありません。コンピュータの能力は無限なので、たとえば、レストランの予約をしたいときに、ボットに「レストランの予約をしたい」と投げかけると、「何時ですか」とか適切に質問を聞いてきてくれます。最終的に、これまでは自分で検索して調べていたたくさんのことを、全部、ボットが代わりにやってくれます。また、人工知能を使い、これまで好みや傾向、さらには当日の天候を分析して、お勧めのメニューを提案するといったこともできます。
仕事の場面では人間ではなく、コンピュータが得意な場面がたくさんあります。そういう場面に、チャットボットを適用していくことで、効率化などの可能性があり、多くの人が注目しています。
中田:なるほど、ありがとうございます。
現在、稼働中のチャットボットで注目のサービスはありますか?
米川:たとえば、会社で営業している人が、チャットボットを使う場面は多いと思います。営業活動でお客様先に訪問するときには、いろいろなことを事前に調べます。具体的には、どういうことをしているか、カレンダーや予定表を確認して予定を調べたり、行き先の住所の確認、住所がわかれば経路や電車でどのように行けばいいのか、何時に出ればいいのか、このように調べることはたくさんあります。さらに、お客様の会社の最近のニュースはどういうニュースがあるのだろうか。会社に保存されている名刺データから、他の人が訪問した履歴を調べたりします。1つ1つは、それほど時間がかかる作業ではないかもしれません。しかし、いくつもの調べ物を行うと、かなりの時間がかかってしまいます。それをボットを使うことで、時間短縮が可能になります。有能なボットが1ついれば、何時にどこに行かなければいけないか全部わかっています。適切なタイミングで「何時に出なさい」、「この会社では、こういうことがニュースとしてありましたよ」、「先月10日に、2課の●●さんが、保守の案件で訪問しています」とかいったことを先に全部、教えてくれるのです。結果として、今まで人間がやっていた仕事がかなり省力化されて、もっと人間的な、本来、自分がしてお客様に何かを提供するという本来の業務に時間を投じることができるようになります。
したがって、ボットは、ただ受け答えするだけのものでなく、それを活用する、組み合わせることで、もっといろいろな、今までできなかったことがもっとできるようになる。そういう世界になるのではないかと予想しています。

■InCircleのチャットボット:コガさんとは

中田:AOSにコガさんというチャットボットがあるとお聞きしたのですが、いったい何ですか?
米川:AOSモバイルには、実際に古賀さんという女性がいます。古賀さんの仕事は、お客者の電話の応対やメールの応対をしています。これをチャットボット、プログラムにしたものがコガさんという名前のチャットボットなんです。
中田:そうなんですか。
コガさんの仕組みはどのようなものですか?
米川:まず、古賀さんには日常的に電話もメールもたくさんくるんです。InCircleに関する質問がたくさんきます。それは社外からだけじゃなく、社内からもたくさんの同じような質問が毎日のようにくるんです。それを1人で、同じような質問にすべて答えていると、非常に労力がかかります。そこで、同じような質問にコガさんというチャットボットに、機械にやらせてしまおうといったものです。古賀さんがよくくる質問を全部、コガさんのチャットボットに登録しておけば、全部、本人が受け答えることなく、コガさんが全部自動的にボットで返してくれるというものです。
中田:コガさんをもっと賢くするには、どのような方法がありますか?
米川:そうですね、今は、定型的よくある質問だけを登録しておいてという形で運用しています。人工無能的な使い方です。しかし、これだけでも、かなり活用範囲が広がっています。しかし、どんな質問がくるかわからないし、一方で、なるべく人間の負担を減らしたいです。今後は、AI:人工知能を使って、今までのQ&Aのデータベースがありますから、これらを使って自動的にもっと賢く、答えを返すレベルアップをしていきたいと思っています。
中田:ありがとうございます。

■InCircleが描く将来

中田:今後、どのような基本機能がInCircleに追加されていきますか?
米川:多くのチャットには、スタンプ機能があります。皆さんもスタンプを使ってコミュニケーションしているでしょう。最近は、文字ではなくてスタンプのほうを多く使っている方もいます。その理由は、自分の感情や言いたいことを表現がしやすいから使っているかと思います。そこで、InCircleでも企業向けにスタンプを用意しました。標準のスタンプを用意していますが、企業によってはいろいろ文化も違いますし、環境を含め多くの部分が違うと思います。そこで、画一的なスタンプだけでなくて、企業の文化、風土などのあわせたスタンプを作成します。当然、InCircleは企業の業務、つまり仕事で使います。個々の業務に特化したスタンプ作成し、カスタマイズして登録できるようにしています。スタンプを使うと、今まで文章のみでしていたコミュニケーションが向上し、仕事も効率的に、しかも楽しく進めていけるようになります。その仕組みを、提供し始めています。
中田:わかりました。
InCircleアプリとはどのようなものですか?
米川:チャットボットは、今、皆さん注目している技術です。先ほど紹介したように、受け答えしてくれたり、人間に代わって情報収集したり、調べたり、答えを持ってきてくれます。しかし、InCircleでできることは、これに留まらないと思っています。仕事をするうえでは、ボットと会話するだけではなくて、たとえば、昔からよく言われているフォームというものが使われています。仕事では、いろいろな場面で定型のフォーム、様式が使われます。これをInCircle、つまりチャットに組み入れることができないかと考えています。新しいチャットを土台にして、今までの仕事がもっと効率的に、楽にできるように、質が高くするように目指したもが、InCircleアプリと呼んでいるものです。
たとえば、社会人ならば交通費精算はご存じかと思います。多く方々が、「あ、交通費精算か」と、めんどうくさいイメージを持たれるかと思います。清算するには、いつ、どこに、いくらかかったということを証明を付けて提出しなければいけません。これを1つのInCircleアプリにするのが、具体的なInCircleアプリの例になります。
たとえば、日にちや行き先、経路などをボットに返します。ボットは、経路の情報や運賃を知っているので、トータルの交通費を計算します。その後、実際にタクシーのレシートだとか、そういうものを写真に撮ってそのままボットに送ると、整理してくれる。それを必要な、きちんと会計処理ができるような形にまで変換してくれるアプリを、今、開発しているところです。
中田:ありがとうございます。
企業に向けて、具体的にどのような可能性がありますか?
米川:そうですね、企業だと、すでにチャットだけでなく業務用のシステムがたくさん入っています。昔から入っていますし、その資産をいきなりまったく新しいものに切り替えるというのは、相当の労力になります。そこで、今までの資産を使いながら、同時にチャットという新しいメディアも使いながら、いかに企業の生産性を高めるかということを考えています。私だけでなく、皆さん考えておられるでしょう。これを実現するためにInCircleでは、Web APIを公開しています。APIを使うことによって、企業のシステムとInCircleを繋いだり、連携することができるようになります。
たとえば、在庫のシステムがすでにあります。さらに、InCircleがあれば、チャットボットを使い、たとえば「このTシャツのLサイズの在庫がいくつありますか」とボットに返すと、企業の在庫のシステムと連動することによって、東京に何着ある、大阪に何着あって、どこの倉庫にあって、といった情報がすぐに手にとることができるようになります。APIがあることによって、さまざまな企業のシステムと連携することができることを意味します。ここで、大きなビジネスに活かすチャンスがあると思います。
中田:InCircleのチャットは、私が友人と使うチャットとは違い、主にビジネスで使われている認識でよいでしょうか?
米川:そうですね。そこははっきりわかれていて、普段、友人とチャットする場合は、連絡先が人づてに広がっていきます。その楽しみもあります。企業は、限られた人がきちんと仕事をしていくルールですから、当然ユーザーの概念が最初から違いますよね。あらかじめメンバーきちんと登録して、そのなかで安全にきちんと、共有すべき人とコミュニケーションをしていく。したがって、入口から違うのかなと思います。
中田:わかりました。ありがとうございます。
AOSモバイルの今後の取り組みと開発の流れについて教えてください。
米川:AOSモバイルでは、このInCircleを使って、仕事のやり方自体を全部変える、仕事革命を起こしたいと思っています。今、それををするには、これまで言ってきました、チャットという基盤があることが前提となります。安心して、セキュリティの高い企業内のチャットあることの上に、チャットボットやInCircleアプリを組み合わせることによって、さまざまな企業のさまざまにニーズのすみずみまで応えられるようなアプリを簡単に作って、提供できる仕組みも作ります。その結果、今までの仕事のやり方、メールでやっていたり、電話でやっていたり、いろいろなシステムを使って伝票入力をしていたことも、全部、チャットのなかで解決できるようにしたいなと思っています。

■リアル・コガさん登場!

続いて、コガさんのきっかけとなったAOSモバイルの古賀薫氏にお話しをうかがった。まさにリアル・コガさんである。

中田・古賀:よろしくお願いします。
中田:今日はコガさんが生まれた理由についてお聞きしたいのですが、コガさんの導入前にどのような問題があったのでしょうか?
古賀:いろいろな企業様から、サイトですとか、よくあるご質問といったところをみていただければわかる内容とか、メールで返信するまでもなく一言でパッとすむような簡単なご質問が非常に多く、同じようなご質問をいただくことも多かったですね。なので、パッと私の代わりに回答してくれるような仕組みがあればいいなと思っていました。
中田:わかりました。
どのような部署に、どのように導入されましたか?
古賀:具体的に、弊社のAOSではInCircleのご導入前にサポートの1つとして、トライアルという無料体験版を提供させていただいています。そのプチトライアルという簡易版のなかで、実際に登場しておりまして、実際の企業様の場合ですと、たとえば、総務とか、情報システム部、会社のなかでパソコンですとかインターネット周りを全体的に見ている部署、そういったところでご活用いただけるかなと思います。
中田:ありがとうございます。
導入した結果、何が変わりましたか?
古賀:先ほど申し上げた弊社のAOSの場合ですと、プチトライアルをしていただいたお客様からのご質問がほとんどなくなりました。コガさんボットが、私の代わりに回答してくれているので、全然、手がかからなくなりました。
中田:ありがとうございました。
その他、何か気が付かれた変化はありますか?
古賀:今後はコガさんボットを使って、問い合わせ対応や、たとえば企業内でよくある質問というのが総務などに集中してくると思われますので、たとえば、社内申請のような画一事務的なものへの活用をしていただいて、業務効率化を図れればいいかなと思っています。、実際にご要望も結構最近では多くなっており、実装に向けて個別対応をし始めているところです。
中田:なるほど、ありがとうございます。
自分のお名前がチャットボットになった感想はありますか?
古賀:最初は打ち合わせとか、いろいろなところで「コガさん」「コガさん」という声が結構きこえるたびに、私もドキっとして振り向いたりしていたのですが、最近ではだいぶ慣れまして、「あぁ、コガちゃんbotね」みたいな感じで自分のことじゃないということがわかるようにだいぶ慣れてきました。
中田:ありがとうございました。

米川:中田さん、最後に、今日の感想をいただけますでしょうか。
中田:私がよく使っているチャットにも、チャットボットのような機能が付いていたのですが、今日、教えていただいたInCircleで導入されているチャットボットと少し違うことがわかりました。そして、人工無能と人工知能の2つの種類のボットがあるということを知りませんでした。私が知っていたチャットボットのようなものは、人工無能に近いものだったのですが、人工知能を取り入れたチャットボットがあることは知らなくて、しかも、レストランの予約をしたいといったら、日にちとか、メニューを勧めてくれる機能があったりと、思った以上に深入りしたことをやってくれるんだなと思いました。予想以上にいろいろな機能があるのだなと思いました。

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