前回の記事(InCircleのチャットボット・コガさんはどうして生まれた?-開発担当の米川氏らに聞く)では、チャットボットとその具体例、さらにInCircleに付属するチャットボットのコガさんについて紹介した。一方で、チャットのこともう少し知りたいという意見もあった。そこで、AOSモバイルの開発担当の米川孝宏氏、コガさんの名前の由来となったAOSモバイルの古賀薫氏、AOSのイメージガールを務める中田まりなさんの3人で、鼎談風に語っていただいた。あらかじめ用意した質問に答えながら語っていただいた。

■チャットボット超入門

質問:チャットボットって、どんな意味なんですか?
米川:チャットボットは、チャットとボットが合わさった言葉です。ボット(bot)はロボット(robot)からきています。なので、チャットを使って、ロボットが反応してくれるのがチャットボットです。
質問:ロボットは、AI(人工知能)が入った賢いものなんでしょうか?
米川:ロボットもいろいろあって、人工無脳といわれるあまり賢くないロボットもあれば、人工知能が入った賢いロボットもあります。
質問:チャットボットは、どちらのロボットなんでしょうか?
米川:ルールベースの単純な受け答えもありますし、もっと賢い領域の答えができる機能を搭載したものもあります。
質問:一般の会社で、チャットボットを導入することでシステムが機能することによって、格段にコミュニケーションが向上するのでしょうか?
米川:そうですね。人間が得意とするコミュニケーションもあるんですが、結構、会社のなかでは、機械のほうが早くて、人間にも余計な労力をかけないルーチンワークのようなもの、定型的な事務処理が実はたくさんあります。そういうものがロボット化、自動化することで、省力化できることがまず1つ大きいんじゃないでしょうか。
質問:ロボット化するということは、自動化することですか?
米川:そうです。
質問:それを入れることによってユーザーインターフェイス、会社のイメージもよくなってきますよね。
米川:そうですね、働きやすい会社になるかと思います。
質問:残業は?
米川:残業も減ると思います。
質問:AOSのチャットボットには、なぜ、コガさんという名前を付けたのでしょうか?
米川:やはり、ただの機械に何かを話かけようかと思うかと、思いませんよね。チャットボットには、実際に、仕事を進めるうえでの役割を担ってもらいます。つまり、実際に人間がやっていた仕事をロボットが代替わりするわけです。仕事の一部を請け負うということだと、実際に実在する人の名前をそのまま付けることで、愛着もわきますし、人間ですので、コミュニケーションするうえで、やはり求心力になるのかなと思います。
質問:コミュニケーションは、音声ではなく、文字でやられるのですか?
米川:基本的にはテキストになります。しかし、ボットが画像を出してくれたり、音声を出してくれたり、そういうこともありえます。
質問:コガさんの声は聞こえないのですか?
米川:今は、ちょっとできないです。

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■チャットがビジネスのやり方を変える

米川:InCircleを使うことで、今までメールとか電話でやっていた仕事がチャットを使うことで、情報共有が非常に早くなります。即時に、簡潔に伝わることは大きな変化だと思います。古賀さん、いかがでしょう。
古賀:はい、そう思います。やはり、今までは、メールとか電話がすごく中心で、1対多数でお話する場合とか、なかなか情報共有がしづらかったり、瞬時に伝わらないというもどかしさがあったんです。チャットだと好きな時間に送れるということもありますし、みんなに正確に、文字なのできちんと伝わり、言い間違えもありません。
米川:結構、人伝えに伝言すると、伝言ゲームのようになって、ちゃんと正確に伝わらないですし、時には意図とは違うニュアンスで伝わったり、受け取ってしまうことも結構多いのではないかと思います。InCircleによって、同じ文章、同じ場所を共有する場ができることで、本来、あるべき情報共有ができるようになったということは、これ自体、大きな価値ではないかと思います。
古賀:そうです。「言った」、「言わない」といったトラブルもないですし、ファイルとかも添付できるので、みんなで同じものを「これだね」といって確認したりすることもできます。
米川:メールだとExcelのファイルを編集して送りました。送ると、cc:して他の人が入ったりすると、複数の人が編集して、またそれを返して、どれが最新版かわからなくなったりします。チャットだと、同じ場所で、順番にみんなで同じものを見ているので、正確な情報の共有が可能になりましたよね。
あと、この状況にボットが入ってくるとまた違った可能性が生まれます。人間だけのコミュニケーションに加えて、ボットがいることで、話し合いのなかで何か必要なことがあれば、それに応えてくれます。具体的には、これまでの話し合いを議事録にしなければいけない必要が発生したら、議事録をまとめるボットがでてきて、それを手伝ってくれます。
古賀:それ、いいな!
米川:このようなことができるようになるので、ボットやInCircleアプリが入ってくることで、人間と機械が一緒に働いて、もっと生産性をあげるような働き方ができるような非常に大きな可能性を秘めていると思っています。
それが、仕事革命のInCircleのコンセプトでもあるわけです。そんな仕事の世界を作っていきたいと思っています。
中田:会社以外でも、学校などでも広がっていけばいい感じですね。
米川:そうですね。実際に関西の大学では、一部、使っています。英語の授業で使っていまして、クラスのなかで、グループに分かれて授業をします。グループごとにInCircleのチャットルームに参加します。先生は必要に応じてチャットルームに参加し、何か困っていたらヒントを与えてくれたりとか、あとは、授業のレポートと提出もやっています。他にもアナウンスなどもやっています。たとあば、休講の連絡もやっています。今までのクラスであったら、自動的に座って授業を受ける、それはそれでフェイスtoフェイスでクラスのいい点はあると思います。そこにInCircleが加わることで、でフェイスtoフェイスの情報共有をやりながら、同時にチャットルームもあって、そこでも会話ができたり、ログが残すことができます。ハイブリッドなコミュニケーションが可能になります。
ここで学習ログが、1つのキーワードになります。学習ログを残すことで、それをもとにチームでグループで、学習を進めていくみたいなことも、今後、行われています。
古賀:休講の連絡とかいいですよね。
中田:私の大学でも、ぜひ、導入してほしいです。(笑)

■InCircleはセキュリティも万全

質問:InCircleの付加価値として、セキュリティがあるかと思います。
米川:InCircleの忘れてはいけない重要な1つの価値があります。それはセキュリティです。チャットというと、何か軽い感じで、誰とでもコミュニケーションできるイメージがあると思います。よく考えると、企業のなかで扱う情報というのは、多くがお客様の個人情報であったり、企業秘密であったりします。個人情報に関しては、個人情報の保護の法律、プライバシーマークなど、厳格な扱いが求められ、どこまでの範囲で共有するのかも重要になってきます。また、マイナンバーなどは、非常に厳格な扱いが法規制によって求められています。
InCircleは、セキュリティに関する部分は完璧で、端末、サーバー、すべての箇所で情報が漏れないようにしています。あるいは、悪用されないような対策をとって設計されているので、安心して使っていただけます。マイナンバーの収集にも使えます。
あと、もう1つセキュリティに関わることですが、人間ですので、どうしても誤送信はなくなりません。チャットを導入しても、間違って違う相手に送ってはいけない情報を流すことがあります。いったん送ってしまった情報がきちんと消せるということも重要で、それもセキュリティの1つの観点として考えています。InCircleを使うと、間違って送っても消せるんですね。これは企業のなかで、非常に重要な要素ではないかと思います。
古賀:送ったほうも受け取ったほうも両方消える、というのはいいですね。
米川:そうです。見ることもできないし、送ったほうも消せます。企業のなかですと、さまざまな情報を守らなければいけないし、企業のコンプアライアンスも重要になっています。今、導入いただいている企業ではそのあたりの課題について比較検討を入念に行っていただいています。新しいチャットというメディアを導入するにあたって、当然、リスクもあります。しかし、十分な検討いただき、導入が進んでいます。

■ビジネスチャットにおけるスタンプ

中田:InCircleでどのような機能が追加されていくかで、スタンプの導入の話がありました。私からすると、目上の人にスタンプを送るのは躊躇するというか、軽い印象があります。上司やお客様にスタンプを送るのが少し不安な感じがして、どういうスタンプができるのか気になります。
米川:最近の若い方々は、文字よりもスタンプでコミュニケーションをし合うことも多いです。その結果、スタンプがトラブルの原因になり、ちょっとした事件報道も少なくありません。スタンプのよさである、気持ちを正直に伝えるという点では、チームのなかで一緒にやっていくような環境ではよいかもしれません。しかし、企業や業界によっては文化の違いも存在します。したがって、会社などでスタンプ使う場合には、やはり最低限のマナーであったり、使い方への配慮も必要になります。そういうものも含めたうえで、スタンプを使う環境を考えないといけないと思います。
たとえば、一般的によく使われているスタンプだと、おどけたりとか軽い感じのスタンプもあります。それらは、企業では使われることは比較的少ないと思います。逆に企業のなかだと、仕事について「了解」、「承認」、「不採用」といった判断が行われます。そして、書類にゴム印で「承認」、「不採用」、「秘密」といったスタンプが押されているのは、皆さんご存じですね。これもスタンプです。ゴム印は、非常に考えられた仕組みで、仕事の効率化をします。決して新しいものではありません。昔からあるものです。スタンプのなかには工夫されたものがあって、フォームのようなスタンプがあります。スタンプのなかに、記入欄が書いてあるようなものです。これらのスタンプを使うことで、仕事がうまく進んでいきます。
それをデジタルのチャットのなかに入れるのがInCircleのスタンプだったりします。個々の業務に合わせた、個々の会社に合わせたスタンプを作っていくことで、企業でもスタンプを使い、効率的に仕事を行うことできるようになります。
中田:なるほど、ありがとうございました。
古賀:個人が個人のチャットで使っているスタンプとは概念が違うのでしょうか?
米川:両方だと思います。スタンプの使い分けを行っていくことになります。気軽に話したいときには、自分の文字の代わりに、マンガであったり、絵になったスタンプなどの軽く手にとって送れるものがスタンプとして使われると思います。それはそれで、あるでしょう。その一方で、業務効率化という意味での「承認」しますとか「却下」といったスタンプも使われると思います。このような業務判断は、スタンプのほうが正確に伝わりやすいこともあるでしょう。両方、併用なんじゃないかと思います。
古賀:自分が失敗してしまい迷惑をかけたとき、すみませんと謝っているときに、「OK」とかきたらなごむかもしれない…
米川:昔は、電話で声のトーンの出し方とか、おじぎの仕方とかを、最初のマナーとして学んだかと思います。いってみれば、会社という環境で表現の仕方を覚えるものでした。最近はデジタルデバイドになってきて、どんどん、デジタルのなかで生まれた世代が会社にも入ってくると思います。そこにチャットが加わります。チャットというメディアのなかでの表現の仕方というのは、実は、今からどんどん洗練されていくと思っています。
中田さん、いかがでしたでしょうか?
中田:どんどん、私たちの世代に適した形のコミュニケーションテクノロジーが発達していっていることに感心しました。ただ、自分がこの先、何十年働いていくなかで、どんどんもっと効率化も進んでいって、より便利に働けるようになるのかなと思いました。
米川:やはり、必ずかかせないのがコミュニケーションです。仕事をするにしても、生活するにしてもですけど。コミュニケーションをとって、それを仕事にどのように適切に織り込んでいくか、重要な課題だと思います。業務で困っていることに対するソリューションという形で、InCircleで仕事の問題を解決して仕事革命を起こしたいと考えています。